元主任研究員に執行猶予 理研背任事件で東京地裁(産経新聞)
独立行政法人「理化学研究所」(埼玉県和光市、理研)の研究用物品購入を巡る背任事件で、理研に約1100万円の損害を与えたとして、背任罪に問われた理研元主任研究員、和田達夫被告(53)の判決公判が12日、東京地裁で開かれた。深野英一裁判官は「科学技術の進歩のための予算を自己の利益のために使い、社会の期待と信頼を著しく損なった」と懲役2年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。
共犯で同罪に問われた研究機器開発販売会社「秋葉産業」社長、嘉藤悦男被告(76)は懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)とした。
深野裁判官は和田被告を「地位や権限を利用して犯行に及んでおり、刑事責任は重い」と非難。一方で、「両被告は被害金額の半額をそれぞれ返還した」と執行猶予の理由を述べた。
判決によると、両被告は同社から研究用物品を納入したように装い、平成16年12月から20年6月にかけ、理研に約1172万円を同社の口座に振り込ませた。
理研は大正6年、日本初の民間研究機関として設立。理事長はノーベル化学賞を受賞した野依良治氏。
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2010-01-13 22:30
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